真相を追い求める侦察兵の物語が記録されている。
価値: 10000
Title: 『侦察兵のノート』
Author: 侦察兵
5月16日
今日は私が王室狩場に来た2日目だ。酔った状態で狩をする王侯貴族が落馬して死んだのはこれが初めてではないため、当初は普通の調査を行うだけだと思っていた。貴族が落として行った宝飾品を見つけて金貨に換えられれば、それで良かった。
5月17日
猟場で怪しい痕跡を見つけた。草むらに乱れた足跡と武器が残されていた。一緒に狩りに出かけた貴族たちも私を避けており、彼らが残した供述は矛盾と誤りだらけだった。
いったい何が起こっているのだろうか。長官に説明すべきかもしれない。
5月18日
これは手の込んだ陰謀だった。
狩りに参加していた全員が、恐ろしい目的を達成するためだけに王子の命を犠牲にすることに加担していたのだ。私自身の命も危ない。彼らは私が調査していることに気づいている。一刻も早くここから離れなければ。
5月19日
友人の貨物船に乗り、「時の島」へと航行することになった。そこは新大陸のどこかにある小島で、世界の喧騒から離れた安息の地と言われている。私はそこに行って亡命を求め、調査を続けることにした。生きて帰れるかは未知数だが、試してみなければ。王子の死を無駄にしないために、正義のために、危険を冒してみるのだ。