病を治し、命を救う学者の物語が記録されている。
価値: 10000
Title: 『学者のノート』
Author: 学者
2月4日
私は16の村々を訪ね歩いたが、一人残らず全員が同じ病気に罹患していた。彼らはこの恐ろしい疫病に、希望を失うほど苦しめられている。私は彼らを助けようと最善を尽くしたが、自分の力の及ばなさを痛感しただけだった。長い間病気を患っている村人たちにとって、私の到着は遅すぎた。私たちの医療は痛みを和らげるだけで、病気を治すことはできないのだ。
2月12日
絶望的なことに、娘も疫病に感染してしまった。私にとって一番大切な人で、私のモチベーションの全ては彼女の健康と安全から来ている。だが私は無力だ。娘の病気は他の人たちと似ているようで違っていて、治療が不可能だった。
2月14日
すべてを諦めかけた時、私は伝染病の発生源を知った。そこは海に浮かぶ島で、島から最初に戻ってきた船員が村に伝染病を持ち込んだのだ。
2月17日
村を出て、娘を連れてそこに向かわねば。一か八かの決断だったが、娘が死ぬのをただ見ているわけにはいかない。成功する可能性が微々たるものでも、全力を尽くして救う。 危険な決断なのは知っている。島への道は決して安全ではない。疫病よりも前に、嵐や岩礁で命を奪われるかもしれない。私は娘を守るのだ。この危険な旅でこれ以上の危害が及ばないよう、できる限
りのことをしなければならない。
2月19日
神の祝福がありますように。この恐ろしい病気を克服し、娘を救う力と勇気を与えてくださいますように。
(日記の隅に数字の53だと思われる書き込みがある。)