古鏡をめぐって展開される伝奇物語。
Author | Language | Library | Discovery |
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王度 | 中国語 | 漳州 |
隋の汾陰の侯生は、天下の奇士なり。王度は常に師の礼を以て之に事ふ。臨終、古鏡を以て度に贈る。曰く、「此れ持てば則ち、百邪人を遠ざける。」度は之を受けて宝とす。鏡横径八寸なり、鼻(つまみ)に麒麟の蹲り伏す象(かたち)を作す(なす)。つまみを繞りて四方に列し、亀・龍・鳳・虎が方に依て陳布す。四方の外に又八卦を設けて、卦の外に十二辰位を置き、而して十二時辰に対応する辰畜が刻まれている。
辰畜の外に、又の縁全体に24文字が隷書のような字体で刻まれているが、この24文字は現存の辞書には見当たらない。
侯生は「この24文字は二十四節気の象形文字である。 太陽光に当てて見ると、鏡の裏の文字や絵が正面の鏡に完全に映し出される」と言った。この古鏡を指で弾くと澄んだ音が鳴り、その余韻は丸一日止まない。 ああ、この古鏡はありふれた鏡とはまったく違う。 高潔な者だけが鑑賞するにふさわしく、霊物と呼ばれるのも自然なことだ。
Keywords | Translated keywords |
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汾陰 | 汾水の南 |
辰畜 | 十二時辰及び対応する干支 |
二十四節気 | 二十四節気 |