海難事故の引き上げ隊が持ち帰った遺物の一つ。船隊最後の航海が記載されている。
9月12日 嵐
湿気寒のあまり、故郷の9月が恋しくなってきた。今回の航海期間は予想をはるかに超えてきた。全部この天気のせいだ。
船員間の衝突は日増しに増え、アルメイダと私は様々な苦情に対処するのに疲れ果て、路線の計画に全力を注げずにいた。アルメイダはもう限界に近かった。数日間眠りについていないので、支離滅裂
なことを言うようになった。石切り芸術を表現したあの小さな石板は、私たちをあまりにも疲弊させた。それを置いて帰航すべきだろうか?
9月14日嵐
暴風は止まらないどころか、更に酷くなってきた。この嵐が船隊に付いてきているのではないかとさえ疑っている。数海里離れた空には雲一つ無いのかもしれない。
今日の午後、アランダが喧嘩の仲裁中に誤って石板を割った。私が閃いて上の文字を並べ直すと、なんと真実が浮かび上がってきた。
9月20日晴れ
珍しく良い天気だ。しかしそれ以上に良いニュースがある。その教会がマサワにあると分かったのだ。今の速度だと1週間もしないうちに到着することができるはずだ。それにしても奇妙な建物で、教会全体が山の中に埋まっている。いや、天然の鍾乳洞のように、逆に山体を切り開いて教会にしたのかもしれない。そう考えると、港に着いた後も、陸上を何日も進まなければならないようだ。
9月21日小雨
本当は今日中に皆に発表する予定だったが、連日の殴り合いで、船員の中にスパイがいると分かった。スペイン人か?イギリス人?それともフランス人?
私はその正体を明らかにせねばならない。
スムーズな航行のために、明日まずその裏切り者を捕まえる!
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鍾乳洞 | 水の流れに浸食されて出来た洞穴 |
猫の尻尾 | 鞭打ち刑 |